「君は僕の太陽だ!」
「っ!///黙れこのヤロっ…!!」
そう言って顔の赤いシリウスの拳が飛ぶ。
シリウスが赤面するのも無理はない。
何せ朝っぱらから大広間でこんなことをみんなの前で大声で言われたら誰でも拳を振り上げたくなる。
ジェームズはシリウスの怒りがこもった拳をひょいひょい躱していつの間にか大広間の入口付近に逃げ、
やーい悔しかったらこっこまでおーいで〜♪と言い放ちさっさと出て行った。
なんて馬鹿な奴なんだ、と大広間にいる誰もがそう思った。
が、そんな彼は上級生をも凌ぐ頭脳の持ち主である。
まさに馬鹿と天才は紙一重、である。
盛大な溜め息をつき、シリウスは乱暴にイスに座った。
そのため他の生徒はビクつき、恐る恐るこちらの様子を伺っていた。
「…で?今回はどうしてあんなことになっちゃったの?」
リーマスが問い質した。シリウスはいかにも嫌そうに顔をしかめ、何でもねぇよ、と言って
それ以上聞いたら容赦しねぇぞ、と周りをあの切れ長の目で睨み付けた。
恐る恐る様子を伺っていた生徒達は再度身体を強張らし、正面に向き直った。
それからシリウスは食事が終わるまで一言も喋らなかった。
「…よくもあんなコト、公衆の面前で言ってくれたな」
シリウスは相棒がいるであろう、木の上に声を掛けた。案の定、ジェームズはそこにいた。
「よくここだって判ったね」
そりゃ偽双子と言われるくらいですから、とシリウスが言った。
ジェームズはからから笑いながら木の上から飛び降り、シリウスの隣に華麗に着地した。
そして二人仲良く並んでその木の下に腰を下ろした。
「…お前さぁ、」
シリウスが切り出した。
「いっつも思うんだけど、あんな恥ずかしいことよく大勢の前で言えるよな。恥ずかしくねぇの?」
ジェームズはふふ、と笑った。
「恥ずかしいもなにも、僕はシリウスの事実を有りのままに言っただけだよ」
シリウスの顔がほんのりピンク色になった。
「…お前、俺の事実だからって『君は僕の太陽だ!』はねぇだろ…。クサいセリフだな…」
シリウスは呆れてた顔をした。
「じゃあ、そういう『クサいセリフ』をシリウスが気に入らないなら僕はあの場で
『僕とシリウスは昨日の夜、濃厚な甘いキスをしました!』って言ったほうがよかった?」
シリウスは真っ赤になって、馬鹿ヤロー!と叫んだ。
「何でそうゆう話になんだよっ!そうゆうコトを俺は言ってんじゃねぇよ!
ただああゆう公衆の面前でああゆうこっぱずかしいことは言うなっつてんだよっ!!」
「口が汚いよ、シリウス」
「喧しい!」
「ただ僕は…」
急にジェームズは静かになり頭を垂らした。
「僕は、君への思いを口に出したかっただけなんだ…」
ジェームズが叱られた犬のように見えた。
シリウスは、はぁぁと盛大な溜め息をつき、隣にいる悄気た相棒の頭をぽんぽんと叩いた。
驚いてジェームズは顔を上げた。
「…お前の気持ちはよーっくわかった。
だけどなぁ、その、…なんだ?やっぱりこっちとしては恥ずかしいということもあるわけで…」
もごもごとシリウスは口ごもった。顔は真っ赤である。
ジェームズはそんなシリウスが可愛く見えて身体が勝手にシリウスに抱き着いていた。
そんなことをされても珍しくシリウスは暴れず成すがままだった。
「僕がどうして君のことを太陽だ、って言ったか教えて上げる―――」
ジェームズはシリウスの耳元で囁いた。
「キスした後とか、今みたいに抱き締められてる時のシリウスの顔が太陽みたいに真っ赤だからだよ」
そう言ってシリウスの赤い頬に羽のようなキスを落とした。
ごめんなさい(土下座)
最後のオチはホントに悩みました(-_-; )
シリウスを太陽だと言ったジェームズの本当の理由は、
自分がここまでやってこれたのは君が僕を支えて(これを照らすとして太陽の意味に掛けたかった…)くれたお陰さ!
ってことにしたかったのですよ。
それがなぜ…… orz 書いた自分が恥ずかしい…!
06/04/01